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5月9日 遺伝研サイエンスアワー

第5回目の今日は「発生遺伝学」のお話です。

ゲストに国立遺伝学研究所 発生工学研究室の相賀裕美子先生にお越し頂きました。

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「わわ。綺麗な方!」

相賀先生の第一印象です。待ち合わせ時間より少し早めに到着した先生には、何かシャキシャキした活気が漂っていて、ちょっと憧れてしまう素敵な女性でした。その昔、『ハンサムな彼女』というマンガがありましたが、先生を形容するにはそんな表現がピッタリ、という印象でした。そんな先生が取り組んでいらっしゃる研究は、一体どんなものなのでしょうか・・・。

実際にどんな研究をしているんですか。

生き物の発生過程で、どの遺伝子がどんな働きをして、どんな形で生まれてくるのか、というようなことを調べていきます。具体的には、「ノックアウト遺伝子」というものを使って実験をしていきます。「ノックアウト遺伝子」とは、言ってみれば"破壊された遺伝子"です。(私がパンチするわけではありませんヨ。)正常な遺伝子を取り出して、このノックアウト遺伝子を代わりに組み込んでみるのです。そうした場合、生まれてくる生物(実験ではマウスを使っています)はどのような形をもって生まれてくるか。そこを観察、研究しています。ノックアウト遺伝子を組み込まれたマウスは、生まれる前に死んでしまうものもありますし、何か異常を持って生まれてくる場合もあります。そうした研究をすることで、どの遺伝子が、どの機能を果たしているか、という事実関係がひとつひとつわかるようになります。

異常を作れる、ということは、正常を作れる、ということ?

そういうことになりますね。奇形を作り出す目的は、あくまで、正常な発生をいかにして促すか、ということ。この研究が進むことで、遺伝病の発見や改善が可能になってくるはずです。

お父さんとお母さんの遺伝子をチェックして、異常を発見、改善したら、生まれてくる子は正常になる、ということ?

簡単に言えばそういうことですが。実際は生殖細胞に手を加える、もしくはそのものをある種人工的に作り出す、という話になると、解決すべき問題が山のように出てきます。技術的なことはもちろんですが、倫理的にも、とても難しいところですね。受精卵ができ、そこから生物が誕生する。いわば神がかり的な領域に手を触れることになるわけですから、そこは非常に繊細なところですよね。

「発生遺伝学」は遺伝学の根源と言えそうですね?

そうですね。遺伝の分野はめまぐるしく技術の進歩が見られ、新しい研究や開発、試みが多く行われます。それはこれからの将来、ますます加速していくでしょう。ですが、私はだからこそ、この「発生遺伝学」という基礎を深く研究し、揺ぎないものにしていくことは更に重要になってくると思っています。今後の技術革新ができる限り正確に行われていくためにも、人の幸せに繋げていくためにも!

相賀先生は、この分野にいつ頃から興味を持たれたんですか?

小さい頃から、好奇心がとても旺盛でしたね。子供向けの科学雑誌のおまけについてくる実験キットであれこれ実験したり、親にねだって買ってもらった顕微鏡で、その辺から汲んできた水を観察して小さな生き物を見たり・・・。野山で駆け回るようなかなり活発な子供でしたよ。アウトドアです。本当に(笑)。それと、高校の時の、生物の先生が本当に素晴らしい方で。教科書に載っていないような事まで取り上げて話して聞かせてくれました。生物の分野が「面白いっ!」と思ったのはあの時でしたね。素敵な先生に出逢えたことはとっても大きな宝です。

今の夢は何ですか?

研究室の若いスタッフ達をどんどん育てて行くことですね。彼らの成長を見ることはとても面白い。私自身がもっと若い頃は、自分が何かを新しく発見したりすることへの夢や希望が多かったけれど、今は次世代の人たちにとても希望を持っています。若い人たちは、やっぱり頭が柔らかくて、発想や、考え方の切り口がとても面白いんですよ。こころから応援したいです。

◎「遺伝研」は大学院?

「大学院大学」と言います。大学を卒業した人たちが、更なる研究を積みにやってくるという感じ。ただ、現状として、一般的には自分の出た大学の大学院にそのまま進学するというケースが多く、遺伝研を選んで入ってくる人たちというのは決して多くは無いんです。私達はもっともっと来てくれることを望んでいるんですが。手塩にかけちゃいますよ(笑)。

!敢えて遺伝研を選んで入ってくる方々って、ユニークそうですね。

それは言えます。自分のやりたいことを、コダワリをもって追い求めてここにたどり着いた!という人たちが多い気がします。大学卒業してすぐ来る方もいますし、いったん就職してみたもののやっぱり研究したい!といった方もいます。確かに集まっている人々は個性的な面々ですね。虫取りが趣味で未だに虫取り網もって山を駆け回る人もいますし(笑)。

!研究者の方々ってどうしてもインドアなイメージがありますが・・・

それはないです!というか、アウトドアな人多いですよ。私自身、テニスが趣味ですし、遺伝研の中にテニスサークルがあって、みんなでよくプレイします。飲み会とかになれば、難しい話は殆どしませんしね(笑)。別に、インドアで堅苦しい人の集まりというわけでは全然ないんですよ。

!わ。遊びに行きたくなりました(笑)。

どうぞ、来てください(笑)。

 

**********

さて、今日の放送いかがでしたでしょうか。

「応用を重ねるには基礎が肝心!」

どんどん進化を続ける遺伝分野の研究ですが、最先端の技術が突き進むほど、その基礎となる「発声遺伝学」というものの重要性も高まるのだなぁということを知りました。「応用を重ねるには基礎が肝心!」ということは、遺伝の分野に関わらず、すべてのことに通じる教訓です。あのイチロー選手も、世界の名選手と呼ばれるようになってもなお、基礎練習はおろそかにしない、むしろじっくり時間をかける、ということの真理と同じだと思います。う~ん。深い。。

「どうして勉強しなくちゃいけないの?」

という小さい頃いだいた疑問の答えも、この辺にあるのかもしれません。基礎学力をつけておけば、大きくなってやりたいことを見つけたときにかけがえの無い糧になるということです。今日の相賀先生のお話は、そんな「学ぶということ」に対する姿勢についても色々考えさせられる貴重な時間でした。

 

さあ、お勉強しよう♪(←私はもう遅いか?!)

 

「人をつくる、明日をひらく」株式会社Z会の提供でお送りしました!

来週もお楽しみに!!

 

∞花村湖子∞

 

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