第12回の今日は「ゲノム・遺伝子・DNA」のお話☆
ゲストは国立遺伝学研究所比較ゲノム解析研究室 藤山秋佐夫教授です。

「 ゲノム、食べたことありますか?」
「〇#∞£ ?!」
ゲノム・・・なんだか噛むと弾力がありそう・・・イカリングっぽいイメージ・・・。レモンとか絞っちゃう系・・・?
実際、全ての生き物が遺伝子、ゲノムを持っているということであれば、食事をするたびに普通に食べていることになりますね。
んー、、あんまり気持ちのいい感じはしませんが^^;。。
さて今日はどんなお話が聞けるのでしょうか。
はじまりはじまりー!
◎ゲノムが解読されている動物ってどのくらいいるんですか?
50種ほどですね。中でも、ヒト、マウスが一番詳しく解析がなされています。
◎星の数ほどいる動物。どんな意図でその50種が選ばれたの?
色々な選抜基準はありますけれども。ひとつにはヒトとそれに近い生き物の解読。これで、私たちの健康や病気の治療に役立てることができますよね。続いて、役立つかといえば疑問ですが、私たちの数億年前の姿がわかってくる原始的な生き物の解読。そして、生き物の分化の分岐点になったような生き物達の解読。そういった生き物を選んで調べています。
◎ヒトとチンパンジーの違いってどのくらい?
ヒトとチンパンジーは500万年くらい前にゲノムが分化しました。1. 2~1.5%くらいの違いですね。数値的には大して変わらないといえばそうですが、それでも見た目や能力にはかなり違いがありますね。
◎生物は何故分化するんでしょうか。
大きく分けてふたつの理由があります。ひとつは、体内でゲノムが自然に書き換わる場合の分化。親から子、子から孫、と遺伝子の情報は伝わっていきますが、その情報量はおよそ30億文字あります。例えばみなさん、30億文字を見せられて、これを性格に書き写せと言われたらできそうですか?ケアレスミスを起こしそうですよね。生き物の体内でも全く同じ様なことが起こるんです。「間違っちゃう」んです。その「書き間違っちゃった」情報が、その子の性質となります。その繰り返しが、分化のきっかけになることがあります。ふたつめは、環境の影響によるもの。温暖化やいん石の落下、氷河期の到来など、環境が生物に与える影響は非常に大きく、それが分化の原因になる場合も考えられます。
◎この研究の面白さはどの辺ですか?
この研究の、というか、科学の面白さという話になりますが。やはり人が知らないことがわかる。新しいことを発見する喜び、でしょうか。知的好奇心が満たされる、という感じかな。例えばプラモデルを組み立てていて、最後の部品がプチっとはまった時の「できた!!」という充実感があるでしょう。ああいう感じだと思います。「わかった!!」という感覚は(笑)。
◎品種改良と、遺伝子組換はどう違う?
品種改良というのは、「美味しい」「役立つ」「作りやすい」など、人にとって都合のいい性質を選んできて採用するものを言いますよね。遺伝子組換は、例えば、大豆のゲノムの中に、除草剤に強い遺伝子をバクテリアから抽出して入れる。要するに外から持ってきたものを入れるというわけです。
◎遺伝子組換にも色々あるの?
そうなんです。一般的には食品に関することのイメージが強いと思いますが、例えば、組換自体は、父、母からこどもが生まれる時にも、両親の間で起きています。それに、なんと人為的ではなく、自然にもともとない遺伝子が他の生き物から入る場合もあるんです。「かいこ」がその例ですね。「水平伝搬」と言って、どういうわけか、他の生き物の遺伝子を体に持って生きている生き物もいるんです。
◎遺伝子組換が役立っている例は?
例えば治療に一役買っています。1980年にB型肝炎のワクチンを作りましたが、あれは、実際にB型肝炎にかかった人の血液から抽出したものからできたものです。ウイルスのたんぱく質を酵母を作らせるという方法で生まれた、いわゆる組換えワクチン。これは副作用が無くとてもよいワクチンとなりました。
◎先生はどんなお子さんだったんですか?
海岸に住んでいまして、アサリやヒトデやウニや、色々な生き物を捕まえて遊んでいました。生き物好きでしたね。高校生の時に素晴らしい先生にお会いして、この道に興味が湧きました。どんな先生に巡り合うかということは、人に大きな影響を与えますね。物理や数学は嫌いでしたが、化学はとても好きでした。生物の勉強はつきつめていくと結局化学反応ですから、その辺は必須ですね。
◎こども達にメッセージをお願いします。
ひとつは、とにかく好きな勉強をみつけてやってください。得意、不得意ではなくて、好きな勉強です。全てはそこから始まります。ふたつめは、基本を大切にして欲しい。オリジナリティ溢れる仕事をしたいと思うなら思うほど、やはり基礎は重要です。人から見えないところでどれだけ自分を鍛えたかがとても大切です。
◎夢はなんですか?
ゲノムがどんなふうに変化して、今の生き物になってきたのかを知りたい。それと、自分の体の中でゲノムがどう変わっているのかを見たい(笑)。難しいけれど。それが夢です。
藤山先生ありがとうございました。
好きなことを突き詰めて研究する姿勢。一生勉強。学びたいところです!
さて7月からのサイエンスアワー。ちょっとリニューアルします!
どうぞお楽しみに☆
花村湖子でした!

