遺伝研サイエンスアワー
ラジオdeサイエンス
今日のゲストは
国立遺伝学研究所 遺伝情報分析研究室
中川草先生でした。
なんと畏れ多くも私の一級先輩。歳の近い先生とのなごやかトークとなりました。
■放送後記~cococolumun~
均衡の美。
私は、時に、自分を簡潔に言い表すと?と問われると、「歪(いびつ)」と回答します。どちらかというと、得意不得意、関心の有無が非常に極端な人間です。ですから、通知表を五角形のグラフに表そうものなら、とても痛々しい形になってしまいます。本日のゲスト中川先生は、そんな私とは対照的な素晴らしいバランス感覚の持ち主、という印象を受けました。まさに、均衡の美です。細かい引き出しが頭の中にきちんと並んでいて、必要な時に必要な情報を適切に取り出すことができる・・・歳が近いだけに、感銘を受けました。すごいなぁ・・・私の思いつきの変化球にも瞬時に対応して頂きありがとうございました。^^;
生き物にも設計図がある
本日のレジュメ、です。
中川先生に頂いた資料を元にご紹介します。ラジオで理解し切れなかった方、どうぞ復習に?お役立て下さい。
生物とゲノムの関係は、家とそれを建てる際の設計図に例えられます。
設計図であるゲノムはDNAという4種類の異なった文字(専門的に言うと塩基)で書かれています。設計図の大きさは生物によって異なりますが、どれもとても大きく(人ならば約30億文字!)、必要なときに必要な部分なだけ部分的にコピーして、部品の組み立てに使われます。そのコピーとは生物にとってmRNAであり、部品はアミノ酸で、出来上がる物質は蛋白質です。
生物の驚くべきところは、人とミジンコのように、全く異なる生物でも、DNA→mRNA→蛋白質という一連の流れはほぼ同じであることです(セントラルドグマと呼ばれます)。これは大きなビルを建てるときも一戸建てを建てるときも、それぞれ設計図と同じような作業工程が必要であるということと似ています。
ただ、一戸建てでは二階部分を作る際には「階段」があれば十分ですが、大きな建物でたくさんのフロアがある場合は、「階段」では足らずに「エレベータ」のような機能が必要になります。
生物でもミジンコのような生物と複雑な我々のような生物ではそのように同じ生活するにしても、必要な機能が異なっているところもあります。
上記のような「同じ」部分も「異なっている」部分も、全部ゲノムの中に記載されています。
生物のゲノムを比較して調べれば、どこが「同じ」でどこが「異なっている」のかを、実際に突き止めることができます。なにせ、人だろうがミジンコだろうが、同じDNAという文字で設計図が構成されているからです。
これが「比較ゲノム」と呼ばれる研究分野です。
中川先生が現在されている調査では「蛋白質の翻訳開始機構の比較ゲノム解析」では、「mRNAから蛋白質ができるまで」の仕組みが多様に変化していることを調べていらっしゃいます。この研究は先日9月21日にお亡くなりになった三浦謹一郎遺伝研名誉教授を中心として行われていた蛋白質の翻訳開始機構の研究の一部ということです。先ほど、「mRNA→蛋白質」の工程などは全ての生物に共通mと書きましたが、そのような基本的な仕組も進化し、多様化していることを明らかにしてきたということです。
「イライラ」と「ワクワク」は表裏一体
番組の中で、「研究をしていてどんな時にイライラしますか?」という質問をさせて頂きました。「仮説が裏切られた瞬間でしょうか。」という回答が。「ただし、その瞬間が研究のきっかけとも言えます。真実はどこにあるのか、その訳は何なのか。突き詰めるところが研究の醍醐味とも言えますので、イライラとワクワクは、いわば表裏一体です。」なるほどw(・。・)w 筋書きを用意して臨んだリポートで、相手から予想に反した反応や回答があったとき。あの瞬間に感覚としては似ているかもしれません。予想を裏切られるということはつまり、未知の世界でゴールを切れるということです。そのワクワク感は、自然、人をモチベートしてくれます。マイナスをプラスに変えていく力。それこそが、どの道で生きて行くとしても大切な感覚なのかもしれませんね。
先日立ち寄ったお洋服やさんで、サイエンスアワーを毎週楽しみにしていますとお声かけ頂き、俄然張り切っている花村ですw
来週も、どうぞお楽しみに!
>>Hana.Co.
